お昼休み、ラグビー部で一緒だった高校の同級生から電話が来た。
「Mちゃんが亡くなった」
すぐに名前が浮かんでこないくらいに久しぶりに聞いた名前だった。
「え?だれ?」
「Mちゃん」
10年ぶりに耳にする彼女の名前と顔が一致したのはその後まもなくだった。
「胃がんだった」
突然の訃報に言葉が出てこなく
「ま、報告までな・・・」
というと友達は電話を切った。
同級生にしては大人びた彼女と会話らしい会話をしたことが無かったけど、3年間クラス替えが無かった為、高校の3年間同じ教室で過ごした仲間だ。
『がん』
従兄が亡くなったのも29歳。
従兄もまた『がん』だった。
健康に暮らす毎日。
歯が痛いだけでこの世の終わりのように感じる満たされた毎日。
神様はなんの基準で、29歳で命を終わらせるのだ?
Mちゃんが、従兄が何をしたって言うんだよ。
怒りを向ける矛先を探りながら、俺は今の自分の健康を改めて感謝している。
部屋に帰ると、別な同級生からもメールが入っていた。
去年から闘病生活を続けていたらしい。
高校の友達と疎遠になっていたこと今更ながら後悔もした。

・・・・・


ご冥福をお祈り致します。

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